高知県の「子どもの幸福度」から考える未来社会について

掲載日 : 2023年05月30日

高知県の「子どもの幸福度」から考える未来社会

 

子どもの幸福度廣瀬先生


高知県内における「子どもに関する幸福度」調査の結果報告

高知県県民総幸福度(Gross Kochi Happiness: GKH)は、GDPや経済成⾧など物質的豊かさという従来の価値基準だけでは測ることが難しい幸福実感を捉え、高知県独自の豊かさを示している「高知県民総幸福度(Gross Kochi Happiness(GKH)」を調査し進めていくため、土佐経済同友会GKH委員会によって2013年度からアンケート調査が過去7回にわたって実施されてきました。

 

2020年度からは、一般社団法人しあわせ推進会議と土佐経済同友会GKH委員会にて共同で実施し、その結果の中で、特に10代(16歳〜19歳)の幸福度が低い傾向があるという問題・課題が明らかになったのです。 より複雑化・多様化する現代において、 子どもたちの幸福実感の現状を把握することが重要であり、「高知県民総幸福度(GKH)アンケート調査」に回答する前の年齢の子どもたち(15歳未満)がどのような状況状態なのかを調査する必要が出てきました。

 

そこで、一般社団法人しあわせ推進会議では、 2021年4月より2年間の期間を設け、土佐経済同友会GKH委員会と高知大学次世代地域創造センターと一緒に「子どもに関する幸福度調査」の共同研究を実施してきました。

 

本調査は、子どもの幸福度を向上させる要因についての単なる探索的な調査ではなく、世代間の関係に注目し、「子どもの問いかけ行動と大人の対応」の重要性についての仮説を統計的に検証して明らかにすることを目的としています。


その結果、子どもたちの好奇心からの問いかけが多く、外国人、異文化、自分と異なる考えに対する寛容さが高い(「好奇心・寛容」)傾向の子どもは、人や自然を労わり、年下に親切にする傾向(「世代性・親切」)が高く、主観的幸福度も高い傾向が見られました。
また、人や自然を労わり、年下に親切にする傾向(「世代性・親切」)が高い子どもは主観的幸福度が高い傾向が見られ、 大人に問いかけをした場合に、大人から前向きな態度で応じてもらえた(「前向きな対応」)と感じてる子どもに、「好奇心・寛容」が高い傾向が見られました。

 

以上の結果から、子どもの問いかけに対して大人が「前向きな対応」で接する機会を増やすことで、子
どもの「好奇心・寛容」、「世代性・親切」、主観的幸福度が高まる可能性が示された結果となりました。

 

今後、これらの調査研究結果を各自治体の教育委員会にも認知して頂き、子どもたちの幸福度を高めるための教育方針の参考にして頂きながら、報告書の中にある「高知県の子どもの幸福度向上モデル」を高知県一丸となって取り組んで頂きたいと考えています。

 

この調査にご協力をいただきました皆様には、心より御礼を申し上げます。

誠に、ありがとうございました。

 

 

高知県の「子どもの幸福度」から考える未来社会に関する調査研究報告書

 

令和5年(2023年)3月

共同研究実施機関

一般社団法人しあわせ推進会議

土佐経済同友会 GKH委員会

国立大学法人高知大学 次世代地域創造センター




子どもの幸福度調査の報告書(PDF:2.38MB)



【調査の結果】

本調査研究報告書は、土佐経済同友会が設置するGKH委員会で2012 年度から毎年実施してきた高知県民の主観的幸福実感の把握、ならびに経済、健康、安心・安全、環境などの暮らしの中で感じる幸福度調査をさらに展開させ、「高知県民総幸福度(GKH)アンケート調査」では、対象から外れている子どもたちが感じる幸福度について、調査しその結果を取りまとめたものです。


土佐経済同友会GKH委員会及び一般社団法人しあわせ推進会議では、より複雑化・多様化する現代において、子どもたちの幸福実感の現状を把握することが重要であり、また「高知県民総幸福度(GKH)アンケート調査」の中で特に10代(16歳〜19歳)の幸福度が低い傾向があるという問題意識のもと、それより前の年齢の子どもたちの主観的要素である「幸福度」に注目しました。


そこで、高知県内の34の基礎自治体の中から3つの自治体(市・町・町)に住む子どもたち(小学3年生〜中学3年生の511人)に協力をしていただき、各教育委員会の協力のもと、協力校にて学校配付のタブレット端末を用いてウェブアンケートから幸福実感度を調査するために、2021年4月より2年間の期間を設け、一般社団法人しあわせ推進会議と土佐経済同友会GKH委員会と高知大学次世代地域創造センターと「子どもの幸福度調査」の共同研究を実施してきました。

 

本調査研究では、子どもの幸福度を向上させる要因についての単なる探索的な調査ではなく、世代間の関係に注目し、「子どもの問いかけ行動と大人の対応」の重要性についての仮説を統計的に検証を行いました。

今回の調査の結果から、子どもの問いかけに対して大人が「前向きな対応」で接する機会を増やすことが、子どもの「好奇心・寛容」、「世代性・親切」、「幸福度」を高める可能性が示されました。


また、家族そろって朝食をとる機会が多い子どもの「世代性・親切」が高い傾向が見られること、家族とスーパーマーケット等に食材を買い物に出かける機会が多い子どもに「好奇心・寛容」が高い傾向も見られました。これらは幸福度に対しては統計的な有意性は見られませんでしたが、「世代性・親切」 「好奇心・寛容」を通じて何らか貢献している可能性は考えられます。


これらの調査研究結果から、下記の通り『高知県の子どもの幸福度向上モデル』を提言します。

 

「高知県の子どもの幸福度向上モデル」
(1)親が子どもと一緒に「スーパーに食材を一緒に買いに行く」
(2)家族そろって「朝食を一緒に取る」

この2つの習慣を増やすことで、子どもからの問いかけに応じる機会を増やし、子どもの「好奇心・寛容」「世代性・親切」を高めるとともに「幸福度」を向上させることにつながります。
そのために、親や教育現場はもちろん、周囲の地域の大人たちみんなで協力し、子どもたちの問いに対して、誰もが自然と「前向きな対応」で向き合っていることができている、そういう地域作りを「高知県の子どもの幸福度向上モデル」として提言します。


最後に、本調査に協力をいただいたすべての方々に感謝を申し上げます。


「高知県民の感じる幸せ」を紹介した冊子をダウンロードできます。

『高知家のしあわせ』のPDFダウンロード(PDF:15.99MB)

発行:高知家の家族会議 〜高知県の幸福度を考える県民会議〜


【問い合わせ先】

このアンケート調査に関するお問い合わせ、ご質問などがございましたら、一般社団法人しあわせ推進会議事務局を通じて対応しますので、以下の照会先までご連絡くださいますようお願いいたします。


照会先:一般社団法人しあわせ推進会議 事務局
電 話: 088-856-9222(受付時間 平日9:00〜17:00)


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