「働く人に関する幸福度」の調査研究報告について
高知県内企業等における「働く人に関する幸福度」調査研究報告
高知県内企業等における「働く人に関する幸福度」調査の結果報告
土佐経済同友会では、高知県民の主観的幸福実感について、また、経済、健康、安心・安全、環境などの暮らしの中で感じる幸福実感がどの程度か等について、2012 年から「高知県民総幸福度(GKH)」アンケート調査をこれまで全7回にわたって実施をしてきました。
高知県はメディア等で報道される経済的指標では下位にランクされる県ですが、当該幸福度調査において幸福度は決して低くなく、また幸福度に影響する因子として「経済的に余裕がある」は上位から7 番目であり、幸福度は経済指標だけにとらわれない事が分かっています。
他方、新型コロナウィルス感染症拡大で疲弊した高知経済の回復のためには新たなビジネスモデルの構築など、個々の企業の努力が重要になってきます。
そのような中、企業にとって更なる経済的効果を出すためには、生産性の向上が重要であり、特に中小企業における生産性の向上は喫緊の課題と言われています。生産性向上のためには、IT 化やDX などの手段もありますが、何より従業員のモチベーションアップや働き甲斐の向上による生産性向上が欠かせません。アメリカの研究では、「幸福度の高い従業員の創造性は3 倍、生産性は31%、売上げは37%高く 、さらには定着率を向上させる」というデータもあり、「幸福度」は科学的に分析され、我が国においても同様の研究が行われています。
また、「働き方改革」を実践していくには、やらされ感ではなく働く者の主観的要素である「幸福度」の向上が重要なファクターになると考えます。加えて、多くの中小零細企業で構成される高知県内の企業においては、従業員のみならず同じ組織の一員として経営者の幸福度の高さも、その経営に大きく作用するものと考えています。
そこで、土佐経済同友会GKH 委員会では、持続可能な開発目標(SDGs)の第8番目の目標「働きがいも経済成長も」の達成に向け、高知県の企業における経営者や従業員など「働く人の幸福度」向上による持続可能性ある組織づくりを目指し、2021年4月より2年間の期間を設け、一般社団法人しあわせ推進会議と高知大学次世代地域創造センターと一緒に「働く人に関する幸福度調査」の共同研究を実施してきました。
本調査は、高知県内の民間企業で働く経営者や従業員、及び自治体職員を対象に、働くことに対する主観的幸福実感の実態を把握するとともに、職場生活における個人の幸福度向上は、どのような要因が関連し得るのかについて明らかにすることを目的としています。
この調査研究の場として、土佐経済同友会会員企業及び県内自治体にも協力を仰ぎ、働く人の幸福度調査を行い、経営者や従業員の幸福度の向上が生産性やパフォーマンス向上につながり得るなど、従業員幸福度が組織経営にとって有用である事と、従業員・職員の幸福度向上への投資が企業にとっても適正な利益をもたらすことを明らかにするとともに、高知県独自の環境が幸福度の向上にどのように作用しているのかを探る試みを行いました。
今後、これらの調査研究結果を各企業や自治体にも認知して頂き、働く人の幸福度が高い企業や自治体を増やし、高知県の持続可能性ある発展と、魅力ある働く場として高知県企業のさらなる成長のためにご活用頂きたいと考えています。
この調査にご協力をいただきました皆様には、心より御礼を申し上げます。
誠に、ありがとうございました。
高知県内企業等における「働く人に関する幸福度」調査研究報告書
令和5年(2023年)3月
共同研究実施機関
一般社団法人しあわせ推進会議
土佐経済同友会 GKH委員会
国立大学法人高知大学 次世代地域創造センター
【調査の結果】
本調査研究報告書は、土佐経済同友会が設置するGKH 委員会で2012 年度から毎年実施してきた高知県県民の主観的幸福実感の把握、ならびに経済、健康、安心・安全、環境などの暮らしの中で感じる幸福度調査をさらに展開させ、近年注目されている企業・団体で働く人々の働く中で感じる幸福度について、調査しその結果を取りまとめたものです。
土佐経済同友会GKH委員会及び一般社団法人しあわせ推進会議では、より複雑化・多様化する現代において、企業は更なる生産性向上が重要であり、特に中小企業における生産性の向上や「働き方改革」が喫緊の課題という問題意識のもと、その推進の重要なファクターと考えられる経営者や従業員など、働く者の主観的要素である「幸福度」に注目してきました。
本調査研究では、土佐経済同友会会員企業及び県内自治体にも協力を仰ぎ、働く人の幸福度調査を行い、経営者や従業員の幸福度の向上が組織経営にとって有用であることと、従業員・職員の幸福度向上への投資が企業にとっても適正な便益をもたらし得るのかを探る試みを行いました。
加えて、働く人の幸福に着目した本調査研究は、高知県において初の試みとなる調査とな
りました。本調査研究では、高知県内企業や県内自治体を対象とした働く人の主観的幸福度
の実態及びそれらの規定要因について検証をおこないました。
しかしながら、本調査では捉えきれない課題も残っています。1つは、具体的な賃金水準がどの程度働くことの主観的幸福度の規定要因、また、大都市と地方との間の働くことに焦点を当てた幸福度の比較分析は今後の課題であり、今後の更なる研究が求められます。
今後、これらの調査研究結果を県内各企業や地元自治体にも認知して頂き、働く人の幸福度が高い企業や自治体を増やし、高知県の持続可能性ある発展と、魅力ある働く場として高知県企業のさらなる成長にも貢献したいと考えています。
最後に、本調査に協力をいただいたすべての方々に感謝を申し上げます。
「高知県民の感じる幸せ」を紹介した冊子をダウンロードできます。
『高知家のしあわせ』のPDFダウンロード(PDF:15.99MB)
発行:高知家の家族会議 ~高知県の幸福度を考える県民会議~
【問い合わせ先】
このアンケート調査に関するお問い合わせ、ご質問などがございましたら、一般社団法人しあわせ推進会議事務局を通じて対応しますので、以下の照会先までご連絡くださいますようお願いいたします。
照会先:一般社団法人しあわせ推進会議 事務局
電 話: 088-856-9222(受付時間 平日9:00~17:00)
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